「サンタWK」折り図とその解説

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クリスマスということで、2014年の記事で紹介した「渡辺大(daidai)さんによる折り紙サンタのデザイン案に基づいた連作」に(ご本人の承諾を得た上で)展開図を追加した。

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展開図を作りつつ改めて見てみると、いくつかは折り紙作品として十分成立してるなと思えたので、その中でも一番まとまりが良いと思われた「C-2」を折り図化して無料配布しようと思い立った。クリスマス直前のことだったので当初は省力化して手早く描いてしまおうと思って取り掛かったのだが、描き始めるとなかなか意識的に手を抜いて描くというのも難しいもので、結局はいつもの感じであれこれ検討しつつ描くことになった。共作としてクレジットは連名に、タイトルは作者頭文字をとって「サンタWK」とした。

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せっかく誰でも見られる形で公開したので、派生的に上のようなファイルも公開することにした。過去に行った折り図配信などでも折り図を描く際に意識していることについて語ってきたが、今回の折り図を教材として同様のことをやってみる試みだ。折り図表現でステップアップをしたいと思っている人の参考になったら幸いだ。なお最終的な表現を含む具体的な解説内容には、ぼく個人の感覚が反映されているので、必ずしも従う必要はない。「どういうところに気を使っているのか」というところを主に見てもらい、時には「いや、自分ならこうする」など自分ならではの方法を深めてもらえればと思う。当然ぼく自身が把握できていない重要なポイントもいろいろあると思うし、幅広く情報交換をしていきたい。


折ることがメインの愛好家がご覧になった場合、「こんな細かいことを考えて折り図は描かれているのか」と、もしかしたら驚かれるかもしれない。描く側としては、折り手の意識を「折る体験」の中に自然に没頭させたい、という思いがあり、それを実現しやすいのが折り図というメディアだと考えている。写真ではここまで細かい調整は難しいし、動画は折るテンポを合わせづらいし、講習では周囲からの情報が多く没頭しづらい(もちろん各形式にはこれらを埋めるだけの利点も同時にある)。
折り図が単に「折り方・折り工程」を伝えるだけではなく、そこに「折り図体験」というような独特の価値があることがもっと認識されていってほしいと願っている。もしもそのような価値がぼくの願望に過ぎないとしたら、折り図というメディアは動画や講習など他の形式にどんどんと移り変わっていくことだろう。