市間いおり新曲「さよならカラペラピス」

ひと月に2曲公開とはどういうことか。

初めて折った時のこと覚えてる
薄いのに張りがあって カラペとはまるで違った
しっかりとついた折り筋に驚いて
折り紙のために生まれたような紙だと思った
 カラピ、なんて略して呼んだりしたよね


ゴールド カッパー アズライト マラカイト
虫たちが鈍く光を放つ この手の中で
 細く尖るカドと きらめく指先
 たまにラメの方を内側にして折ったっけ
廃判になった紙はいろいろあるけれど
折り紙のために生まれたような紙だと思ってた


  さよならカラペラピス
  ぼくらが愛した紙
  さよならカラペラピス
  わたしの愛した紙


折り紙ソングとして他にテーマに出来そうなのはやっぱり「紙」だろうか、と考えたときに真っ先に浮かんだのが、去年に生産終了となったカラペラピスだった。あの独特の折り心地と美しい表面加工、特筆すべき個性を持った紙で、自作品では「カニ」と、今回のムービーでも登場させた「チョウ」を折るときはカラペラピスがデフォルトになっていた。


オケ部分はエイプリルフールの動画でBGMとして使った曲を、音色を差し替えて部分的に構成を変えただけで、そこに歌のメロディーを加えていった。先にできていたAメロに「ゴールド カッパー アズライト マラカイト」という色名の羅列がぴったりとはまったことが曲作りにおけるハイライトだった。こういう偶然が、膨大な選択肢に戸惑う自分の背中を押してくれる。いつも言っているが、折り紙創作はこの手の偶然が多いところが自分にとっての魅力だ。
ところで歌詞で「初めて折った時のこと覚えてる」とか書いているが、ぼく自身はよく覚えていない。「おおっ」と思った覚えはうっすらあるが、何の作品を折っていたのか等は記憶の彼方だ。「カラピ」の略称も自分ではあまり使わなかったな。


映像でフィーチャーした「降ってくる展開図」は、DaVinci Resolveの機能を調べている際にできそうだと分かったのでやってみた。ただしこの機能はマシン負荷が高いようで、じゃあこの機会にと思ってメモリを32GB分増設して計40GBにしてしまった。この一年半買ったままの8GBでやりくりしてて限界も感じていたから良い機会だったということにしたい。


ところで一連の市間いおりオリジナルソングは一体どういうつもりなのか、と思われているかもしれない。これに対しての答えとしては、大筋ではネタではあるのだけど、全くのおふざけでもない、というところだろうか。折り紙創作だけでなく折り紙関連のあれこれを扱うことも自分の折り紙活動の一部だと考えているので、これもその一環と言える。マガジンで記事を書いたり、ネットで情報共有したりするのと広い意味では同列だ。まあ、あとは単純にボイスチェンジが楽しいんだけど、ここはあまり深掘りするところではない(笑)。
そんなわけでもう2,3曲くらい続けたいと思っている。