「小松風」その来歴(動物作品の構造パターンについて)
この記事ではさらっと触れた程度だったが、作品の例をちゃんと挙げて解説したら面白そうだし、若い人たちの為にもなるかもしれないと思ったので、記事にまとめることにした。
本エントリでは、過去発表されてきたあまたの動物作品から、構造的に典型的な特徴を持った作品をピックアップして紹介することで、いわゆる「小松風」なスタイルがどのような流れの下で生まれたかを解説したい。まずは、基本中の基本である、典型的な前川設計の例から。
(以下、ものすごく長い記事になってしまったので畳んでおく)
前川淳「きつね」
- 前川淳「きつね」(『ビバ!おりがみ』1983に折り図収録)
30年前に発表されたこの作品の構造的な特徴は大きく3つある。1つめは22.5°系であること。2つめは「一値性」を持った基本形であること。3つめは「背割れ」構造であること。
1つめの22.5度系というのは、その名のとおり直角の1/4を基準の角度として用紙全体が構成されていること。
次の「一値性」は、ある多角形を折ったときに外周辺が一直線上に載る性質のことを言い、そのような多角形を「一値分子」という。「値」って何の値なのかと言えば、ずばり角度のことだ。折る前にはいろいろな角度を示していた外周辺が、折った後にはどれも「0°」という1つの値になる。一値分子ではないがよく使われる分子に「Yパターン」があるが、これは「二値分子」で、下図のとおり「0°と22.5°」の2つの値を、折った後に持つ。
一値分子が折り紙設計において有用なのは、この一値性が複数の分子を組み合わせることを可能にするからだ(参考)。
さて展開図を構成している分子がすべて一値分子なら、基本形全体も一値性を持つことになるが、ラングさんはこのような基本形を「一軸基本形(uniaxial base)」と呼んでいる。基本形の真ん中に一値性の「軸」が1本あるようなイメージだ。
なお、三値以上の分子というのも当然想定可能だが、そうなるともう設計上での有用性が無くなってくるのでほとんど意味が無い。3つ以上はいっぱいということで、そのような構造は「多値」的と称されて、分子として扱われることはほぼ無い。
3つめの「背割れ」については、宮島さんの記事(http://www.h5.dion.ne.jp/~origami/seware_haraware1.html)を参照すると良いが、用紙のフチが背中側(上側)に来るような全体構成のこと。
「割れ」というのは、特に一軸基本形では軸上にフチが集まるため、紙の裏白が覗くところが「割れている」ように見えることからの呼称だが、一軸基本形でない場合にも「背割れ」と表現する。これと逆に、用紙のフチが腹側(下側)に来るような構成は「腹割れ」となって、動物を折る場合では、さらに2つのパターンに分けられる。せっかくなのでこれも『ビバ!おりがみ』から作品例を挙げてみたい。
- 前川淳「らくだ」(『ビバ!おりがみ』1983に折り図収録)
「らくだ」はブタの基本形を22.5度で沈め折りした基本形から、「割れ(=紙のフチ)」を胴体の内側に隠すように2つ折りした構成になっている。宮島さん言うところの「獅子舞スタイル」で、胴体の下から4足が生えているように見える。この構成で他に有名な動物作品には、David Brillさんの「Horse」(BOSのウェブサイトにある折り図・2010年版の折り図*1)など。
「ケンタウルス」は「きつね」を上下逆にしたような基本形の使い方で、「割れ」が腹の下にくる。伝承のブタはこの構成だ。見た目上、背中側が開いた造形になるため、この構成を「背割れ」と呼んでいる人も多々見かけるが、ここで言っている創作技法上の「背割れ/腹割れ」分類では、あくまでこれは「腹割れ」となるので注意。
「きつね」に話を戻すと、22.5度系・一値性・背割れ、この3つの特徴を備えたスタイルは『ビバ!おりがみ』収録の他の作品でも多く見られ、まさに1つの典型を示している。このような構成による作品には、なにより造形しやすいという利点がある。カドが長く折り出されているために仕上げ加工の自由度が高く、同じ基本形から異なるポーズを取らせることも容易にできる。このため、今なお現役の技法としてさまざまな作品で使用されている。例えば、神谷哲史さんの「ユニコーン」(リンク先に写真)がそうだ。参照されることの多い「西川トラ」(リンク先に写真)も同タイプの基本形を用いた作品である。
短所としては、このタイプで動物を折ると、2つ折りにした胴体がすぐに開いてしまうことが多い。そのため、構造的に留めたり糊付けしたりする必要が出てくる。また、基礎中の基礎であることは、今となっては凡庸な構成であることを意味する。実際、ここから考えられる表現のかなりの部分も『ビバ!おりがみ』の時点ですでに実践済みであり、今はさらにそこから30年経っている。なお新規性を持たせたい場合には、折る対象やカド配置や造形などプラスαの独自性を盛り込んでいく必要があるだろう。
なお、ここでは「きつね」を典型例として紹介したが、同構造の前例として上田憲治さんの「とら」(『おりがみニュース』29号、1978)という作品がある。オーパーツのような?同作品については『折紙探偵団』115号の「折紙図書館の本棚から」で詳しく書いたので参照してほしい。
目黒俊幸「うま」
次に見るのは「前川きつね」にあった22.5度系・一値性・背割れの3要素から、22.5度だけ外したもの、すなわち「自由角系・一値性・背割れ」の組み合わせ。その典型は目黒流の設計折り紙だ。
- 目黒俊幸「うま」(1993年創作)
「うま」は目黒さんが開発した折り紙設計プログラム「おりお」の設計実例として、当時報道などでよく紹介された作品だった。用いられているアルゴリズムは「円領域分子法」で、折りたい対象の樹状図に基づいて、欲しいカドの長さの円領域を配置し、一値分子を発生させて展開図を作成してくれる。「うま」の完成形については、目黒さんのウェブサイトの「おりお」紹介ページに載っている設計実例の「こうま」が、若干展開図は違ったものになっているが、ほぼ同じ物が見られるのでそちらを参照してほしい。
この一値性を核とした設計法はラングさん制作の設計ソフトTreeMakerでも採用されていて、コンピュータによる折り紙設計の現時点での典型と言える。この手法の利点は、22.5度の角度制限を取り払ったことによる効果として、折り出すカドの長さを細かくコントロールできること。ラングさんは、この長所の実例としてシカの種類を細かく折り分けた作品を作っている(Roosevelt Elk・Mule Deer・White-tailed Deer)。弱点は、折り出しを含めた折り手順が、22.5度系に比べると煩雑なものになりがちな点が挙げられる。
実はこのスタイル自体は、ずっと以前より複数の作家によって実践されている(当然ながらごく単純な構成にとどまる)。ただ、目黒さんが初めて「円領域分子法」という明快なアルゴリズムとその背景となる理論(いわゆる「折り紙分子論」)を提出したので、ここでは目黒さんの「うま」を典型として挙げた。古い例としてモントロールさんの「リス」を、そして折り図がある近年の例としてラングさんの「アラモ・スタリオン」を紹介しておく。「リス」は「腹割れ(前川ケンタウロス型)」、「アラモ・スタリオン」は「腹割れ(前川らくだ型)」の構成による作品となっている。
- ロバート・J・ラング「Alamo Stallion」(『Origami Design Secrets』2003に折り図収録)リンク先に写真
Montroll's Dog Base
「目黒うま」と「前川きつね」は同一ライン上にある似通ったスタイルと言えるが、次に紹介するモントロールさんの「Dog Base」は、大きく趣きが異なっている。動物折り紙において1つの革新的技法を打ち出した作品だと思う。
・ジョン・モントロール「Montroll's Dog Base」(『Origami Sculptures』1990に折り図掲載)
本としての出版は1990年だが、初出は1985年発行のFOCA*2のコンベンション折り図集。創作当時は相当に画期的な基本形だったはずで、基本形そのものを作品として発表していることからも、作者の自信がうかがえる。
最大の特徴は、見てのとおり、これが一軸基本形ではないことだ。一値性を基準に調べてみると、背骨のライン(0°)・足等のライン(90°)の2つがあり(つまり二値性)、軸としては「頭・前足」と「後ろ足・尾」の2つのセットが離れて折り出されていることが分かる。言わば「二軸基本形(biaxial base)」だ。すでに4つの足が胴体に対して垂直に生えていて、一軸基本形のように仕上げ工程で折り曲げる必要が無くなっている点に注目されたい。
- ジョン・モントロール「Boxer」(『Origami Sculptures』1990)
このボクサー犬含め、「Dog Base」から発展させた作品をモントロールさんはたくさん創作していて、氏の創作歴においても1つのブレイクスルーであっただろう。ぼくはモントロールさんの著書より先に、『おりがみ新世紀』*3で知ったのだが、派生作品の「馬」は折り方を覚えて何かにつけて折っていたものだ。
さて『折紙探偵団』113号「折紙図書館の本棚から」で少し触れたが、「Dog Base」の原型と言える作品が1980年の『Origami for the Enthusiast』の時点ですでに発表されている。
- ジョン・モントロール「Camel」(『Origami for the Enthusiast』1980)
この「Camel」は角度制限の無い自由角による構成で、わざと間を空けて折った背中の折り線が、ちょうどラクダのコブになるように考えられている。しかし4足部分では「Dog Base」に特徴的な折り出し方が行われている。
さらに続編の『Animal Origami for the Enthusiast』では、これを22.5度系にした「Giraffe」が登場している。しかし、これは胴体部分に幅が無い。つまり二軸基本形ではなく、一軸基本形だ。
それでも、足の生え方は仕上げる前に垂直方向を向いている。「前川きつね」「目黒うま」とどう違うのかというと、基本形の使い方が違う。鶴の基本形で模式的に示すなら、下図のような違いだ。
写真右の形状で、前後のカドに「カド割り(Point Splitting)」の技法を行ってみるならば、こうなる。
この構造からの作品も『Animal Origami for the Enthusiast』に「Brontosaurus」他、複数収録されており、巻頭では一歩手前の形が「Brontosaurus Base」としても紹介されていることから、モントロールさんがこの構成の可能性をよく理解していたことが推測される。おそらくこれが「Dog Base」の発想のさらに源流に位置しているのだろうと思われる。
このようにして独特な足の折り出しを実現したDog Baseだが、影響を受けて早速マネした作家もいて、その例を2つ挙げる。
- ロバート・ラング「Collie」(『Origami Zoo』1990に折り図掲載)
- ジョセフ・ウー「Three Banded Armadillo」1993創作(『OrigamiUSA Convention 1995』他に折り図掲載、WuさんのウェブサイトにもPDF折り図あり)
かくいうぼくも、初期作品である「トラ」で、マネしている。作ったときにははっきり意識はしていなかったのだが、用紙中央の4足の折り出しはどう見てもDog Baseに由来する構造だ。
そして、Dog Baseの構造の単純な借用ではなく、同様の「22.5度系・二値性・腹割れ」というスタイルを持った作品も少しずつ登場してくる。
- 西川誠司「ライオン」1991創作(『西川誠司作品集』2003)リンク先に写真
『西川誠司作品集』掲載作では、1989年創作の「馬」にも後ろ足の構成で二値性が見られるが、まだ基本形の二次加工に近いもので、はっきりと一値性を崩してきた作品としてはこのライオンの基本形が挙げられる。作品集の解説では、創作にあたってDog Baseの影響があったことが書かれている。
さて、「Dog Base」に代表される「22.5度系・二値性・腹割れ」スタイルの長所短所はどうか。まず、一軸基本形を2つ折りしたときのように、胴体がひらいてくることが少ない。少ないと言うのは、このスタイルでも「開き」状態で折ればやっぱり同じ問題が生じるため。「Dog Base」では足の出る箇所でロック機構が働いていて、体がひらいてくることはない。そして、これは長所にも短所にもなる特徴だが、このスタイルでは用紙の使用効率を若干良くすることができる。胴体の幅の分だけ足のカドが短くて済むためだ。もっとも効率の違いはオマケみたいなものであるし、逆から見れば「仕上げの自由度」においてはマイナスに働く要素にもなる。その作品における「仕上げ」工程をどう捉えるかによって、評価も変わってくるだろう。
吉野一生「馬」
最後に見る「典型的なスタイル」は、故・吉野一生さんの作品だ。
吉野作品は今まで見てきたどのスタイルとも違う独特さを持っている*5。3要素で見るならば「自由角系・多値的・腹割れ」の組み合わせだ。後ろ足に一値分子がわずかに存在しているものの、他は分子と呼べるような構造も何も無く、しかもさまざまな角度の折り線が入り乱れた展開図になっている。工程のどのポイントをもってして「基本形」と呼ぶのか曖昧で、ある意味では「基本形」が無いとも言える。正方形用紙を直接仕上げていくような作風とも言われるゆえんだ。こうした自由な構成は、従来シンプルな作品ではありえたが、それをここまで複雑な折り紙でやってのけたのが吉野さんだった。
小松英夫「馬」
そして90年代後半になると、ぼくも含む当時の若手作家の中からも一値性を崩した作品が自然に(と言っていいかは分からないが)出てくるようになった。
- 小松英夫「リス」1997年創作(『折紙探偵団コンベンション折り図集Vol.3』1997に折り図初出*6)リンク先に写真と展開図
- 宮島登「マンモス」1997年創作(『折紙探偵団コンベンション折り図集Vol.3』1997に折り図初出*7)リンク先に写真と展開図
- 神谷哲史「ティラノサウルス」1998年創作(『折紙探偵団コンベンション折り図集Vol.5』1999に折り図初出*8)
写真は宮島マンモスの基本形。
他の人がどうだったかは定かではないが、ぼくの中にこの頃あったのは「円領域分子法」に対する批評的意識だった。「『折りたい対象を樹状図に還元する』というステップは、カドの多い昆虫等では有効に機能するが、動物のような対象では抽象化しすぎだろう」、「一値性の強い制限下では基本形が似通ってしまい、仕上げで工夫することで差別化するしかなくなるのではないか」……等々。そんなとき吉野さんの「非・設計」的な折り紙に惹かれ、「こういう感じでありつつ、幾何学的な感じ」というイメージを持つことができた。ホームページに「吉野さんの作風を前川さんの態度でやる」などと書いたことがあるが、吉野さん由来の「多値性・腹割れ」と前川さん由来の「22.5度系」を混ぜた、というわけだ。多値性により、「紙の面」の要素が造形にフィーチャーされると同時に、基本形/仕上げの区分が一軸基本形に比較すると弱くなるため、作家による個性も出やすくなる。22.5度系の構造により、分子より大雑把な部分的構造を再利用することもできる。もっとも当時はここまで明晰な思考はしていなかったが、なんとなく未来を感じていた。神谷さんのティラノを初めて見せてもらったとき、「やっぱりこの路線だよね!」と熱く語ったことを思い出す*9。
- 小松英夫「馬」1999創作(『折紙探偵団』60号、2000に折り図初出*10)リンク先に写真と展開図
ようやく拙作の「馬」まで辿り着けた。手前味噌だが、「22.5度系・多値性・腹割れ」のスタイルの典型としてきれいにまとまった作品だと思う。
最後に登場した作品の分類を表にしてみた。分類可能な属性は他にも考えられるだろうが、これだけでも、動物折り紙と言ってもさまざまな構造によって表現ができることが分かる。
作品 | 角度 | 一値性 | 割れ |
---|---|---|---|
前川「きつね」 | 22.5度系 | 一値性 | 背割れ |
前川「らくだ」 | 22.5度系 | 一値性 | 腹割れ |
ブリル「Horse」 | 15度系 | 一値性 | 腹割れ |
前川「ケンタウルス」 | 22.5度系 | 一値性 | 腹割れ |
神谷「ユニコーン」 | 22.5度系 | 一値性 | 背割れ |
西川「トラ」 | 22.5度系 | 一値性 | 背割れ |
目黒「うま」 | 自由角系 | 一値性 | 背割れ |
モントロール「Squirrel」 | 自由角系 | 一値性 | 腹割れ |
ラング「Alamo Stallion」 | 自由角系 | 一値性 | 腹割れ |
モントロール「Montroll's Dog Base」 | 22.5度系 | 二値性 | 腹割れ |
モントロール「Boxer」 | 22.5度系 | 二値性 | 腹割れ |
モントロール「Camel」 | 自由角系 | 多値性 | 腹割れ |
モントロール「Giraffe」 | 22.5度系 | 一値性 | 腹割れ |
ラング「Collie」 | 22.5度系 | 二値性 | 腹割れ |
ウー「Three Banded Armadillo」 | 22.5度系 | 二値性 | 腹割れ |
小松「トラ」 | 22.5度系 | 二値性 | 背割れ |
西川「ライオン」 | 22.5度系 | 二値性 | 腹割れ |
吉野「馬」 | 自由角系 | 多値性 | 腹割れ |
小松「リス」 | 22.5度系 | 多値性 | 腹割れ |
宮島「マンモス」 | 22.5度系 | 多値性 | 腹割れ |
神谷「ティラノサウルス」 | 22.5度系 | 多値性 | 腹割れ |
小松英夫「馬」 | 22.5度系 | 多値性 | 腹割れ |
付記
もしこれから動物の折り紙を創作したいという人がいて、この記事で挙げた作品で折ったことのないものがあったとしたら、ぜひとも折ってみてほしい。それも一度じゃなくて、一作品あたり数回は。
これは持論だが、折り紙作品、それも明快な表現のスタイルを持っている折り紙作品は、それ自体が教材となってくれる。教材としての性格を明確にするには、例えばだけど、最初は普通に折り図どおり折ってみる……2回目は基本形までを折って、折ったらひらいて展開図を確認する……3回目はその展開図を見て、(折り図の工程を見ずに)展開図折りをしてみる……4回目は基本形を自分なりのアレンジで仕上げてみる……などの方法で繰り返し折ってみることなどが考えられる。折り図を見直して、1つ1つの折りの意味を検討したり、工程を暗記して折ってみるなども良いだろう。
ある意味、最先端のいろいろな表現技法が盛り込まれたハイブリッドな作品では、却って教材にはなりにくかったりする。古い作品という色眼鏡を外して、想像力を働かせて折ってみてほしい。
補足1
本記事で取り上げた作品の選択については、ぼくの体験が反映されていて、歴史としての客観性がどうかと問われると心もとないため、その辺注意してもらいたい。実のところ、言及しておくべき作品も他にたくさんあって、まとめる段階でカットしたものも多い。少しフォローしておくと、木村良寿さんも一値性によらないコンプレックス系を早くから作っていたし、川畑文昭さんは主に45度系(蛇腹ではない)で腹割れ型の作品を多く作っている。格子系(蛇腹)の動物作品についても本記事では省いた。
補足2
『ビバ!おりがみ』以前についても割愛したが、これもざっとさらっておくと、古典折り紙〜内山光弘の切り込みを入れたものから、本多・吉澤の複合折り紙(鶴の基本形2枚で前半身・後半身に分けて折る)などがあり、伝承基本形からの発展(基本形のミックス、座布団鶴や座布団魚、額縁などの仕込み、4鶴配置など)から一枚折りの動物も折られていた。私的基本形として動物の基本形を持っていた創作家も多い。しかし、基本形の段階で細かな種の違いを反映できるようなレベルの設計は『ビバ!おりがみ』の登場まで待たねばならなかった。
追記4/20
西川さんからHerman Goubergenさんの「ライオン」(リンク先に写真)が二値性の動物作品で、1988年折り図発表と早い時期の作品だったと情報をいただきました。作品は知っていましたが、折ったことはなかったので今度折り図見てみたいと思います。