『小松英夫作品集』写真作例に使用した紙

実施中のアンケートに寄せられたコメントに「作例に使用した紙の種類が知りたかった」というものがあった。実はこれについては迷った末に記載しないことにしたのだった。理由はいくつかあるが特別秘密にしたかったわけではないので、ここで一覧を公開しておく。

作品 名称 サイズ
サンタクロース 折り紙用紙 15cm
おんどり 折り紙用紙 15cm
ぶた 不明(洋紙) 21cm
いのしし ヴィンテージゴールド(63kg) 24cm
道化面2 両面和紙(楮もみ) 24cm
ヴァル(薄口) 35cm
パンダ 海外製ラッピングペーパー 30cm
リス 上質紙にプリンターで両面印刷 18cm
うさぎ タス クレエPA(120kg) 25cm
みみずく 里紙(70kg) 15cm
きぬもみ(90kg) 45cm
アンドレ(80kg) 35cm
アンドレ(80kg) 35cm
ひつじ 綾PA(薄口) 40cm
オオカミ ファーストヴィンテージ(69kg?) 40cm
キリン ビオトープGA(45kg?) 50cm
カバ レザック82ろうけつ(100kg) 50cm
日本猿 ベルクール(70kg)+カラペ(11.3kg) 40cm
ライオン きぬもみ(90kg) 40cm
トラ ファーストヴィンテージ(56kg)+カラペ(11.3kg) 55cm(多分)

さて、その理由だけど、一番身も蓋もない物が「紙の詳細が不明なものが混じっている」というものだ。名前を確かめずに適当に買ったとか、店が仕入れなくなったラッピングペーパーとか。裁断して折る前に大きさをメモし忘れたとか。これらをそのまま書くと一覧にしたときになんともかっこわるい。
似た理由として、出版時点で廃品・廃色になってしまった紙を使っている、ということもあった。いろいろな種類のある洋紙とて製紙メーカーが作る製品なので、新商品が出たり製造中止になったりと結構入れ替えが激しいものだ。コンプレックス系折り紙愛好者にとってはカラペの仕様変更(カラペ→ニューカラペ→tカラペ)で身近な問題だろうか。
理由の最後は、作者の使っている紙に影響されてもらいたくない、という気持ちがあったこと。ぼく自身うまく紙選択できているか心もとないし、写真の作例を「お手本」として捉えられるのにもどうも違和感があるので。加えて、本の作例は撮影用に若干大きめのサイズで制作していて、紙の大きさ・厚さもそれに合わせた物になっているということもある。撮影用でなければ、もう一回り二回り小さく折りたい作品もあったりする。
折り手が創作者の使っている紙を知りたいという気持ちもよく分かるので、ぼくもウェブではなるべく書くようにしていて、上記の理由で本では書かないことにしたけれど、それについては上のリストの公開でご納得いただければと思う。