勝手にコラボシリーズ〜北條さんの仏像について

折紙探偵団』102号の西川さんの兜を折って飾っていたのだけど、重心が微妙に前にあって、ふと気付くと倒れていたりした。台になるようなものは無いかなと思っていたら、横に北條さんの「仏像」が(4年ほど前に折ってずっと玄関に飾ってある)。これはもしかすると、と魔が差して兜を仏像の頭の上に‥‥!

えーと。とりあえず反省します(主に北條さんに向けて・笑)。


冗談エントリで終わるのもなんなので「仏像」について少し。写真の作例で使った紙は岩はだ(古びた木目調に見えることを期待したのだが結果的にはあまり合ってなかった気がする)で、100kgなので79cmめいっぱいのサイズをとっている。直前に24cm折り紙で試し折りを一回しただけだったので、仕上げでの指の迷いのためあちこち紙が不必要に汚れてしまった。特に腕と顔が。この辺は一発で位置を決められるくらいになって折らないとダメだろうな。

この作品、折り図を見たことのある人は知っているだろうけど、最後に腕パーツと胴体パーツを糊付けしなくてはならない。正直言うと、最初にそれを知ったときにはちょっとガッカリしたものだ(笑)。
しかし、実際折ってみて印象は大きく変わった。なんというか貼り合わせることがとても自然な作業に感じられたのだ。紙が「ここを貼って!」と言っているかのように、貼り合わせることでそれまでバラバラだった「折り」の情報が「作品」へと生まれ変わる面白さ。そして完成した形は、まさに「折り紙」の造形にしか見えなかった。


その後も、北條さんが糊を積極的に使うことで「折り紙らしい」造形を演出するという独自のスタイルを磨いてきたのは皆さんご存知の通り。
で、これって複合という手法のエッセンスでもあったりして、北條さんとWuさんとの親和性も腑に落ちるところがあるだろう。「折られた紙」に対する審美基準がはっきりあって、その場所に近づくための糊であり複合。木村良寿さんや笠原さんとも意識的に近そうかな。
というわけで、そろそろ北條さんが複合の道に進み(戻ると言ってもいいか)そうな気がしてたりしてなかったり。でも不切正方形への志向もしっかりある人なので、そこらへんの綱引きを想像しながら新作の「ルシファー」を見ている。


参考リンク:

金属風コーティングが!!