Zoom+OBSによるオンライン折り紙講習:環境導入メモ

去る10月3日に行われた折紙探偵団東京友の会の第7回オンライン例会(Zoom)で講師を担当した。実施にあたって準備した事柄を記録しておく。

obsproject.com
使ったのはネット配信では標準的なソフトであるOBS Studioで、複数のソース(カメラ映像・画像・テキストその他)を自由にレイアウトして、1つの配信画面を構築できる。その最終映像を仮想カメラとして、Zoomのカメラ入力に指定してやれば良い。使い方にはそれほど難しいことはなく、ネット上に参考記事もたくさんある。
ただしMacの場合は、OBS本体に加えて仮想カメラ化プラグインをインストールして起動してやる必要があり、ちょっと敷居が高いかもしれない。

Windowsであれば、9月末にリリースされた最新バージョンでは仮想カメラ機能が標準搭載されたそうなのでその必要がなくなった。
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実際の講習で使った画面はこんな感じ。左下の顔ワイプは、講習開始の挨拶の時だけ表示して、講習の際には非表示にした。自由に配置できるのでついついいろいろ詰め込みたくなるけど、講習の場合は画面内に情報がありすぎると気を取られてしまうのではないかと感じたため。まあ、そんなことよりぼくの顔が常時映ってても嬉しくないというのが大きいが。
講習では他に2枚の画像を用意していたが、うち1枚(冒頭の比率折り出しの説明図)はうっかりしていて使うのを忘れた。もう1つは冒頭の作品解説で触れる用に旧「ねずみ」の写真。

メイン映像として手元を映すウェブカメラは、ロジクールのC920nという機種。ウェブカメラが全般的に品薄の中、候補の製品を定期的にチェックしていたところ、7月半ばにAmazon公式アウトレットに出ているところに出くわすことができて、当時の実売価格より少し安く入手できた。
合わせてサンコー「俯瞰三脚」というのも買ったのだが、結局これは講習では使用しなかった。というのも、卓上小物入れ(15cm折り紙を入れてある)の引き出し部分にウェブカメラを引っ掛けることで手軽に俯瞰撮影を実現できることがわかったからだ。
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上記の三脚は大きめで、卓上で扱うのは不可能ではないが取り回しが手軽とは言い難い。こちらは普通の三脚として作品撮影で主に使用しようと思う(以前使っていたミニ三脚が壊れて久しかった)。探偵団マガジン183号で羽鳥さんが紹介している雲台付きアーム類も良さそうだ。
ただし上記の方法でカメラをセットすると、映像の上下が逆(向こうから見た視点)になってしまうので、これをOBS上で180度回転させる必要がある。

YouTubeなどで配信するときには、音声もOBSを介して配信するわけだが、現状ZoomでOBSの音声をマイク入力に指定できなさそうだったので、音声はZoomでパソコンのマイク音声を直接拾った。そのため映像側が少し遅延するのでは?という心配があったが、どうやら致命的なズレはなかった模様。もっとも講習中ならある程度ズレていても問題ないだろうから、あまり気にする必要はないかもしれないが。

折る際には、実際の紙を見ながらではなく、OBSの画面を見ながら折った。タブレット(板タブ)を使って絵を描くのと似ていて、最初不思議な感覚があるが、普通に折れる。この方がうっかりフレームアウトを起こさないので良いと思った。

オンライン講習の経験値を着々と上げている げんさんに教えてもらったところによると、Beth Johnsonさんのオンライン講習では、今折っている工程の前の数工程分を折り図で画面に表示させて、分からないうちに工程が進んでしまった人を救済できるようにしているらしい。画面の更新を忘れないようにするのが大変そうだなというのと、はじめの方に書いた「画面上の情報が多すぎることの弊害」も気になるが、面白い取り組みだ。


以前の記事で書いたとおり、配信や動画など不特定多数に向けた講習には個人的にはあまり積極的に取り組むつもりはないのだけど、せっかく環境を用意したのだから何かしら利用はできないだろうかと考えているところで、例えば折紙創作集団スクエアが最近行なっている自作品解説のような配信をウェブカメラも使ってやってみてもいいかもしれない。
www.youtube.com