リス再改修と折り紙の三大要素


作品集のためにリスを改修したのが2年前のこと。ただ、このバージョンは、構造はきれいなのに、展開図折り向けというか、折り筋つけて一気にまとめた方が早いタイプの作品だった。それは折り図には描けないから、一応工程を組み立てて描き始めたものの、ちょっとまだるっこしい感じの工程で、描きすすめながらもまだ悩んでいた。でもって8割がた描いたところで作業がストップしていた。

先月になって改めて見直してるうちに、やっぱりこの工程でいいのか…?と思えてきて、思い切って前半身を新しく作り直すことに決めた。2007年版の改修時には「オリジナル版のデザインを残しつつ如何に合理的な構造にするか」という縛りでやっていたが、今回はもうデザインは変わってもいいから、図になりやすいのを目標においた。やってみると案外出てくるもので、いくつかできた候補から最終的に選んだのが今回紹介している作品だ。
展開図的には2007年版の方が面白い。だけどこの2009年版の方が、工程はまあまあ素直だし、造形的にも顔が上を向いたことで「小動物らしさ」が増して可愛らしくなったと思う。


以前から「構造・工程・造形」*1のバランスが取れた作品を目指したいということを言っているけど、この改修ではまさにそれが創作の動機となった。特に、「工程が嫌だから作り直す」というのは、(細部の工夫においてはたまにやるが)これくらいの規模で作り直したのは初めての体験で、自分の中でちょっと意義深かったりする。

*1:話の流れとは関係ないけど、昔考えた思いつきで、「構造・工程・造形」は「真・善・美」にそのまま当てはまったりしそう。でも思いついただけで全く掘り下げてはいない