タントセレクトとスタードリーム

 先週東京に行く用があって、結構久しぶりの竹尾に寄った。
 入り口を入った正面に新製品コーナーがあったので、早速チェックする。置いてあったのは、タントセレクトというのとスタードリームというのの2種類で、どちらも折り紙向きそうな紙だったので試し折り用に買ってきた。

タントセレクト

 タントセレクトの方は、名前の通りタントをベースとして、エンボス加工を加えたもので、エンボスの種類で全4種の製品(TS-1〜4)がある。厚さは70kg、100kg、と130kg。紙業タイムズ社の記事「特種製紙/特殊両面エンボス紙『タントセレクト』」によるとシャープな両面エンボスが特色らしい。

 で、折ってみた作品は前川淳さんの「イカ」。在庫がそれしかなかったので100kgで(18cm角)。エンボスの種類は、一番ナチュラルな雰囲気だったTS-3。ぼくが折る対象は基本が動物なせいで、どうしてもそういう傾向のエンボスに惹かれてしまうわけだが、このエンボスはなかなか好きだ。思いつく範囲ではコルキーとレザックろうけつを混ぜたような感じか? 上のリンク先にあったように、両面がほとんど区別がつかないので、例えば北條作品を折るのに使ってみると良さそうだ。
 「座屈感」*1は、まあごく普通の洋紙で特別書くこともない。強いて言えば、エンボスの模様がかなり細かいので、折り目(特に山)が相対的に目立ってしまうかもしれない。ここら辺は折るときのテクニックでどうとでもなる部分ではあるけど。

スタードリーム

 ラメが入ったような鈍い光沢があり、見た目的には、OrigamidoのFrog Paperにちょっと似た感じ。表面の状態は大分違うけど。
 ラップランド・アーバンメタルとか、鈍い金属調の紙はかなり好きなので、この製品は嬉しい。色数もなかなかカッコイイ色合いが揃っていた。厚さは88kgがあったのは確かだが、他にあったかどうか分からない。
 というかネットに情報が無い。検索結果にノイズが出やすい名前なのでうまく見つけられてないという可能性もあるが、同じ竹尾の青山見本帖の入荷リストで9/6入荷となっているところを見ると、発売されたばっかりだからというのがその理由のようだ。

 折ってみたのはぼくの「猫」(21cm角)。気づいたのは随分と丈夫な紙のようで、その意味でもFrog Paperを彷彿とさせられた。端紙で試してみたのだが、内部カドをただ段折りして半分に折っても割れないくらい強い(同じことをタントセレクトでもやってみたら見事に割れた。写真参照)。

 座屈感は、割りとしっとりとした風で、これも好みだ。うーん、これで50kgくらいの厚さがあったら最高なんだけど、ないだろうなあ。

*1:自前の造語。要するに、折った時の感じ。