コンベンション折り図集Vol.11から・その1

 紙や折りに気を使ってないので恥ずかしい仕上がりが多いが、写真はこちら。

 以下、折っての感想。
・西川誠司「土佐犬」: 同時収録の「サイ」「バイソン」「ゾウ」と同じく『西川作品集』アウトテイクのお蔵出し(?)。もう何度も折ってはいるが、改めて折った。多値的な作品の元祖のひとつとして、20図までの折りの気持ちよさは今なお健在。

・宮島登「犬」: 見所は前足の折り出しかな。作風のルーツである「Montrollさん+前川さん」というのがクリアに見える感じだ。けど造形の着地点は、まどうことなき宮島節。あと、ネームの丁寧さが印象に残った。 

渡辺大「犬」: ご本人もブログで書いていたとおり、ちょっと説明的な折り工程だったかな。作品としては、この手のスタイルは作者の折りの素地が顕現することもあって、いろいろ興味深い。

・笹出晋司「ふんころがし」: 面白い。これは笹出さんじゃないと作れない作品でしょう。

・中井努「やどかり」: 最後、貝殻の仕上げが理解できなくて、完成できず(なので写真もなし)。「多分こうなる」というのは分かるんだけど‥‥。

・尾川知「妖怪五体面」: これはクオリティ高い。インサイドアウトから最後の手の平(難しい!)まで、見所折り所も多いし。残念なのは、序盤に工程がひとつ抜けていた1点。せっかくの傑作で、折ってて一瞬止まってしまうのは惜しい。

・池上牛雄「小便小僧」: 個人的に折り図をリクエストしていたので嬉しい。妙な感じで形が変わっていく工程を楽しめた。手〜腕の仕上げも折っていて気持ちいい。完成形はぼくは好きなんだけど、人を選ぶデザインかも。

・Roman Diaz「Spallow」: 難しい。全体的には決して変則的な折りが多いわけでもないのに、変則的な折りをしたという印象が残った。

・Jason Ku「Duck」: なんだか豪快な折り工程。もしかするとまだ練り切れていないのかも。

・Marc Kirschenbaum「Fiddler Crab」: 50、51でつまづいて、ネームをよく読んでようやく理解した。ただ、ここは隠れる部分なので多少ぐちゃっとなっても構わない様子。大きいハサミの出方が結構感動的だった。