少女J……15「Girls-BP #01」の3

2)顔


「隻腕アンドロイド」で用いたパターン(2007/12/4発表)には、鼻の部分(○の部分)が厚くて仕上げがしにくいという欠点があった。これを回避しようと2008/5/1に紹介したパターンを開発したわけだけど、今度は鼻の厚みが無さ過ぎだった。使用領域が少ないなど、利点はあるものの、今回は没に。

今回の新パターンでは、最初のパターンから、顔部分の幅をひろげることで鼻部分の厚みを軽減させてみている。造形的にはBのように顔全体を2倍幅にした方が仕上げ上でも余裕ができるはずだが、良い収め方が見つからなかったので、ほとんど前回のパターンのまま変化させることができるCの形を採用した。上方のカドをつまんで、耳(っぽくないが)と耳上の髪も作れる。

3)髪

「隻腕〜」では片腕の領域を髪に回すことで、蛇腹等分数を減らしていたが、今回は両腕を折り出すのでそうは行かない。髪の毛は新しく作り直す必要がある。「隻腕〜」の完成形を見て、髪のボリュームが足りないかなと思っていたので、特に頭の上方向にボリュームをつけることを意識して作りたい。
しかし髪にボリュームを与えることと、首の厚みを抑えることは相反するので難しい。首を後ろ髪と一体化させるなどすれば回避できる問題だが、今回は首が独立していて、しかも細い、というのを目標に置いたのでそれはできない。悩ましいところだ。




とっかかりとしたのは前髪だった。アニメキャラにおいては前髪のボリュームとその造形は重要な要素だ。仕上げの加工がしやすいように段折り状の構造を組み込んでみる。小カドをずらす「nhメソッド」とは異なる、ヒダの面を生かす方向性である。コカミヤメイドの前髪を内部から出してみた、とも言えるかも。


今回の作例では行わなかったが、ヒダをさらに細くつぶして変化をつけることもできる。


さらに、こんなことも可能だ。もともとの構造もスカートを内部から出したときに現れるものに通じているが、特にこれはプリーツスカートで使ってやろうと以前から考えている構造でもある。


前髪から後ろ髪までの必要マス数を簡単に数え上げて顔・前髪をとりあえず配置し、残りの髪を基本的に試行錯誤で折り出していった。

このときには、首の帯領域が用紙上部になるべく最短で抜けるようにして、髪はその内側で折ることを意識しながら考えていく。漫然と折ると、つい髪の領域が拡大してしまいがちで、そうすると当然首の厚みが増してしまうためだ。

そして最終的にこのような展開図になった。髪の一部の厚みがペラ1枚になったり、髪の横の方の造形がいまひとつだったりするが、コンベンションまで時間が迫っていたこともあり、一区切りとしてここで止めた。


この写真は、上で紹介したようにプリーツ状に前髪を折り込んだサンプル(24*24等分より)。

つづく!