市間いおり新曲「夢見るTessellation」

突然「テッセレーションって言葉は声ネタになりそうな響きだな」と思ったところから1曲作ってしまった。市間いおりの名を借りての、折り紙ソング第2弾(3曲めだけど)である。

Tessellation Tessellation
Tessellation 広がる
Tessellation Tessellation
Tessellation 連なる


無限に広がる時空の一欠片
無数に連なるカタチの一欠片


Tessellation Tessellation
Tessellation 広がる
Tessellation Tessellation
Tessellation 連なる


無限に広がる時空の一欠片
無数に連なるカタチの一欠片
光に透かせば その目に めくるめく世界
(Tessellation Tessellation
Tessellation 広がる)


Tessellation Tessellation
Tessellation 連なる
Tessellation Tessellation
Tessellation Tessellation


未来に透かして その手で めくるめく世界
(Tessellation Tessellation
Tessellation 夢見る Tessellation...)

今回はあえて歌詞内では直接的に折り紙に関わる単語を使わないでみた。「平織り」とか入れたくなるワードはいろいろあるのだけど。

GarageBandにも多少慣れてきて、ミックスダウンは前回より音圧・バランス等向上しているのではと思う。ミックス・マスタリングが素人にとって闇なのは変わりないけれど(本当に難しい)。曲の方はポップな構成じゃないのでだいぶ人を選ぶと思うが、Twitterのフォロワーにいる何人かの人に終始鳴っているP-MODELオマージュのシーケンスにニヤリとしてもらえれば本望だ。

origamisimulator.org
音楽の話はほどほどにして、今回のビデオクリップでは、素材としてOrigami Simulatorのシミュレーション映像を大いに利用させていただいた。このアプリの動作画面はとても魅力的で、何かに使ってみたいと前々から思っていたのだった。
展開図自体はもちろん自分でオリヒメを用いて描いた。実際にシミュレーションしてみて、折りの開閉がスムーズに行える(つまり剛体折り紙に近い)パターンが良い、ということで、メインで用いた展開図は実際に折るにはかなりめんどくさそうなヒダの細いパターンになってしまった。同じ理由から、途中で出てくる3色のパターンも表裏同等折りなどになっている。それでも、動かしてみると平らな状態を維持したままで完成形に移行してくれるのは稀で、途中で筒状になったり椀状になってしまうようだ。
サビで流れるホログラム風の映像は、シミュレータの詳細設定で「Mesh Material」を「Face Normals Material」にして録画したものを、DaVinci Resolve上で色反転させて作った。動きも、ペンタブレットで録画範囲の外側を回るようにポインタを動かしただけだが、複雑な見た目の回転になってくれた。

「折り紙大好き!」UTAU(ORIGAMI-I)バージョン

UTAUと聞いて大貫妙子?という人もいるかもしれないが、ここでは歌唱合成ソフトの方。
ja.wikipedia.org
詳細はWikipediaに投げるとして、声の断片をライブラリ化してソフト上で配置・調整することで歌わせることができるというもので、いろいろな人による音声ライブラリ(多くはキャラクター化されている)が配布されている。
dic.nicovideo.jp
前のDTM環境では、歌モノはAquesToneというプラグインを使って作っていた。UTAUも使おうとすれば使えたはずだが、ソフトを単体で立ち上げるUTAUと違ってAquesToneは作曲ソフト上で打ち込みができるので、こっちを使っていたのだったと思う。

話をUTAUに戻して、先日daidaiさんが折り紙にちなんだUTAU音声ライブラリとして「千代折紙」と「ORIGAMI-I(オルガミ)」というのがあるとツイートされていたのを読んで試してみることにしたのだった。「千代折紙」の方はアップローダからのDLに失敗してしまったので「ORIGAMI-I」(ver.0.91)の方をDL。
dic.nicovideo.jp


soundcloud.com
「折り紙大好き!」をカバーしてもらった(自分で打ち込むんだけど、人の声を使わせてもらう気持ちが強い)。一応一音ずつ調声作業をしたが、基本的なピッチ曲線と要所のエンベロープくらいで、あまり細かい設定には手を出していない。ウィスパーボイスということもあって、オリジナルとはかなり異なる雰囲気となってくれた。

Affinity Designerでの折り図制作TIPS その4

affinity.serif.com
Affinity Designer含めAffinityシリーズが5/20まで半額セール中だ。その販促というわけではないけど、ちょっとたまってきた小ネタをまとめた。

後ろに隠れているオブジェクトの選択

optionキー(Winならaltキー)を押しながらクリックするとそのクリック位置にあるオブジェクトを手前から奥へと順に選択していくことができる。例えば、ずらした部分の間の層だけ選択したいときなどに、手数は増えるけれども、狙いを定めてクリックする必要がなくなる。

便利なダブルクリック

  • 内側にペーストされたオブジェクトの選択はcommand+クリック(WinならCtrl+クリック)で行えるが、ダブルクリックでもできる。そして内側にペーストされているのが「グループ化されたオブジェクト」の場合、ダブルクリックでグループ全体を選択することができる(さくBさんに教えてもらった)。部分図で位置の調整をしたい場合や、中身を取り出したい場合(カットアンドペーストで取り出せる)に便利だ。ただしグループ化せずに内側にペーストされているとこれはできないので、その場合はレイヤーパネルで中身のオブジェクトを選択する。
  • グループの中にグループがある場合も、ダブルクリックで中のグループを選択できる。
  • 移動ツールとノードツールの切り替えはショートカットキー(V、A)で行えるが、ダブルクリックでもできる。移動ツールでオブジェクトを選択してそのオブジェクト上でダブルクリックをするとノードツールに切り替わる。ノードツールから移動ツールにするときは何にもないところをダブルクリックで切り替わる。
  • テキストツールから移動ツールへの切り替えも何もないところをダブルクリックで切り替わる。テキストカーソルが出ている状態でうっかりショートカットキーを押すと「v」と入力されてしまうので、ダブルクリックで切り替える方が確実。

ドキュメント解像度に注意

別のファイルからコピペでデータを持ってくる場合、ドキュメント設定の解像度(DPI)が同一じゃないと図の大きさが変わってしまう(当然、線幅も変わってしまう)ので注意が必要だ。解像度の設定はいつでも変えられるので(そのドキュメントにあるのがベクターデータのみだったら影響が出ないはず)コピペ前に揃えるようにする。
これはイラレから読み込んだきたファイルからコピペしたら線幅が変わってしまって気づいた。イラレでも基本は300dpiのようだけど、そのファイルは写真を貼っていたせいで600dpi設定になっていたのだった。

境界線のスケーリング

境界線パネル内にスケーリングというチェックボックスがあるが、これにチェックを入れると、オブジェクトの拡大縮小をしたときに線の幅も一緒に太くなったり細くなったりするようになる。IllustratorやFreeHandでは拡大縮小を行うツール内のオプションになっているので、設計思想的に異なるポイントだ。複数オブジェクト内にチェックがあるものとないものが混在している場合に、まとめて拡大縮小すると、チェックありのオブジェクトのみ線幅が変わるという挙動になる。複数オブジェクトを選択した状態でチェックをオン・オフすることで、選択しているすべてのオブジェクトのチェックを一気にオン・オフできる。
折り図では基本的にあまり使わない機能だと思われるが、図を詰めるレイアウトに変えたい場合などで、「図を小さくする必要があるが普通に縮小するとずらし描写が潰れてしまう」というような際に必要になってくる。
チェックが入ったままだと、うっかり図の修正でオブジェクトの拡大縮小を行った際に線の幅がそこだけ変わってしまうなどの事故が起きるので、使った後は基本的にオフに戻しておくのが良いと思う。

ADからIllustrator(Ai)への書き出し

以前も記事で少し書いたが、その後ちょっと調べた結果の簡易まとめ。CS5での結果であり、しっかりとした検証でもないのでそのつもりで読んでほしい。

EPS

  • 良い点=図に関しての再現度が高いまま読み込める
  • 問題点1=グループ化がすべて無効になる
  • 問題点2=テキストがすべてアウトライン化される
  • 問題点3=ADでのアートボードは無効になる

SVG

書き出しオプションパネルの「その他」で詳細な設定として、「変換のフラット化」にチェックする。これにチェックをしないと線幅が部分的に太くなったりおかしなことになってしまう。

  • 良い点=グループ化が有効のままで読み込める
  • 問題点1=テキストが1文字ずつバラバラになる。詳細設定で「より長いテキストをテキスト範囲」にチェックを入れても数文字単位でバラバラになる
  • 問題点2=オブジェクト全体の大きさが大きく読み込まれる(その分、線が太い設定になる)
  • 問題点3=ADでのアートボードは無効になる

PDF

  • 問題点1=各オブジェクトの線と塗りが2つのオブジェクトに分離する
  • 問題点2=テキストが1行ずつバラバラになる

EPSとSVGは一長一短という印象。規格としてはSVGの方が汎用的らしい。ファイルの書き出し・読み込みはソフトによって挙動が違うようで、ADで書き出したEPSをADでまた開くと、線と塗りが分離してたりする。一応それぞれに仕様が決められているはずなので、それに則っていないのはソフトのバグということなのだろうか。ということはバージョンによって異なる結果になることも想定される。

オブジェクト属性の一括置換

ADにオブジェクトを属性で絞って一括選択する機能がないのは大きなマイナス点で、今後のバージョンで搭載されることを望んでやまないが、現状Aiに書き出して行う他に、Mac版しかないソフトだがVectorStylerでできることがわかった。VectorStylerには、Select Similarという塗りの色や線の太さなどで一括して選択する機能がある。
www.vectorstyler.com
最新ベータ版だとPDF読み込み/書き出しで「オブジェクトの線と塗りの分離」も起きなかった(EPS、SVGだと分離する。Aiの結果と逆で面白い)。ただしPDFでは破線のバット線端がラウンド線端になってしまったのと、テキストが全て文字化けしてしまった。破線については一括選択で簡単に修正可能だ。テキストは元のデータから移植することになる。上の項目でも書いているとおり、テキストを編集可能性の高い状態でソフト間を移るのはなかなか難しいようだ。
以下はADで描いた折り図をVectorStylerでカラー化したもの。ADで同じことをやろうとするとオブジェクトを1つ1つぽちぽち選択していくという非人間的な(汗)作業が要求されてしまう。ただ山折り線・谷折り線をそれぞれで一括選択することはVectorStylerでもできなかった。色を変えてからまたPDFで書き出してADで再度読み込んでもやはり線と塗りの分離は起きなかった(というかこの図もADでPNGに書き出したもの)。
f:id:origami:20200517151659p:plain

f:id:origami:20200516224340p:plain
元のモノクロ折り図

Zoom折り紙談義会(5/10)

新型コロナウイルス危機の情勢下、多人数ビデオ通話システムを利用したオンラインでの折り紙集会が各所で模索されつつ開催されている。折紙探偵団東京友の会の例会の他、萩原元さん・田中幹人さんらの個人運営によるもの、各地の大学サークルなどでも行われているようだ。

上記ツイートのとおり、Zoomのキャンペーンに乗って折り紙談義をする集まりをやってみた。今までZoomは参加者としてしか使っていなかったので自分でミーティングルームを立てるのは初めてだった。10年ほど前にテキストチャットを使って折り紙談義を5回くらいやったことがあったけど、こういう呼びかけをしたのはそれ以来だ。

急な呼びかけだったが、ぼくを除いて9名の参加があった。13時から始めて、まあ夕方くらいまでかなと思っていたのだけど、結局だらだらと21時まで8時間もやってしまった。もっとも夕方以降まで残ってくれていたのは2-3人だったけれど。話題はあっちこっち飛びながらも一応折り紙の話を主にした。
以下、話した話題を記憶を頼りに列挙した。もう結構忘れてるので抜けているのもいろいろあると思う(あとは、内輪っぽい話は除いている)。話した順番も必ずしもこのとおりではない。

・バーチャル背景で遊ぶ
・折り図作成ソフトの話(Inkscape 1.0の使用感・DIAMOND等)
・折り紙VTuberの話(あやせましたさんの映像がOBSを使った配信スタイルだった)
・マニアックな折り紙愛好家はどうしたら増えるのかという話(きっかけ、深みにハマるために必要なもの等々)
・折り技法を徹底的に親切に解説した動画があるといいよね、という話(英語だとぽつぽつある)
・紙を折るときの運指を丁寧に解説したものもあるといいよね、という話(昔びわさんが部活用に作っていた?資料が良かったけど、ああいうの)
・折り鶴早折りの話(あやせましたさん提案の正方基本形の畳み方が面白かった)
・折り図販売等マネタイズの可能性についての話(最近の動向や将来的な予想)
・森末さんの作風の話(平面/立体、ネタ系/ガチ系)
・韓国フォルダーの作風の話
・お絵かきと折り紙に対する心理的な差(創作目線)についての話
・見立ての面白さの話(ぼくがよく話すネタ:異質なものの出会いとか無作為性とか)
・技法の流行り廃りとそれが作風へ与える影響の話
・skさんの過去作振り返り(展開図鑑賞・考察)
・写真投稿SNSの話(からのFlickr鑑賞)
VTuberの特性の話(折り紙全く関係なし)
・マジックの話(用語体系の折り紙との比較とか)


こうして振り返ってみると、それぞれにもっと掘り下げられそうな、いろんな話題があがっていた。もっと自分にトークの技術があれば、こういうのもコンテンツ化できるかもなあとは思うが、あんまり頭の回転がよくないので事前に原稿などを用意したりしないと、すらすらと考えを話すのは難しい。そういう才能の登場を求む!(同時にブログとか探偵団マガジンで記事を書く人も求む!)