桃谷展と東京友の会例会

 土曜は例会は(いつものとおり)遅刻することにして、最終日だった「桃谷好英作品展 折り紙でつながる創造と科学〜グリム童話とDNA〜」を見に行くことにした。
 ギャラリー悠玄に入ると、桃谷さんご本人がいらっしゃってて、はじめましてとご挨拶をする。頭の中では「あんな回文をブログで書いたりしておきながら、どの面下げて‥‥」という声が鳴り響いたのだが、ま気にしないことにしたい。その後、お知り合いが訪ねてくるまでの数分間、桃谷さんの解説つきで展示作品を観るという貴重な時間を過ごした。
 童話のジオラマ作品と、ユニット・平織り系の化学モノと大きく分けて展示されていて、平織り群には圧倒されたけど、個人的な好みは童話の方だったかな。中でも「赤ずきん」がすごくまとまっててクオリティが高いと思った。どの作品もミニチュアといってもいいサイズで、構成パーツが尋常じゃない細かさになっているものもあり、あれを折るのは大変な根気だなあと思う。
 紙は、普通の折り紙用紙がほとんど、それ以外もよく見かける洋紙を使ったものが多く、あまりこだわりはないのかもしれない。ご本人の意図は分からないけど、漂うチープ感が「折り紙らしさ」の演出に一役買っているようにも見受けられた。それが成立するのに重要なのが、ある種の立体感・空間感‥‥こぢんまりとまとまっているような雰囲気と言ってもいいけど、そういうものなのかもしれない。『をる』の桃谷作品なんかを思い返しながら、写真だとその繊細な立体感が抜け落ちてしまって、見た印象が随分と変わってしまう作風なのかなとも思った。
 題材も、使っている技法も幅の広い、ある意味ぼくとは正反対な向きを向いている作品群を見ることによる刺激も多くあり、見に行って良かった。


 例会。霞さんの隣に座ったので、局所的にブーム到来中の「パズル」ネタの作品をいくつか見せ合う。早速次回の講習作品になった「回印の畳紙」がきれい(ORIPAユーザはサンプルページから展開図をDLできる)。パズルをダシにしっかり自分の創作をしている霞さんはやはり只者ではない(笑)。


 会場を移して忘年会。中井さん・宮島さんと同じテーブルについたため、またしてもパズル解きに熱中してしまった。5×5のタイガースマークを10等分から折っていたら、「最後に中心部分を20等分の幅で段折りして詰める」というトホホな解を見つける。あと、宮島さんからヤバそうな問題が投下される
 宮島さんの関連エントリも合わせて(その1その2)。

 他に神谷さんからは、サイトにアップされたばかりの「ケルベロス」の実物を見せてもらった。歯やあごひげみたいな毛のギザギザなど、ボリュームの効果的な付け方がうまいなあ。