Affinity Designerでの折り図制作解説配信・アーカイブ

www.youtube.comhttps://www.youtube.com/watch?v=Cwq-ttFhLlk
YouTubeの方の概要欄に、配信内で触れた話題ごとのインデックスを作ったのでご利用ください。すでに思ってたより多くの人にアーカイブを見ていただいているので今更という感じもするけれど。
インデックスを作るために部分部分を見返したが、この話題ではあのことにも触れればよかったとか色々反省点がある。でも思い切ってやってみて良かった。機会があれば(というか何かネタを思いついたら)またやってみるかもしれません。

「タピオカミルクティー」



巷で人気のタピオカミルクティー、目にするたびに折り紙向けの題材だなーと思っていた(飲んだことはない)。
ストローとインサイドアウトから領域配置はすぐに思い浮かぶので、はじめに8等分蛇腹と決め打ちしてしまってから試行錯誤で作った。

Bubble Tea origami

ひと月前にTwitterで発表したときはタピオカを少し大粒に折り出していたが、今回推敲するにあたり、中央上の粒のインサイドアウトのやり方がいまいちだったのを改めることをまず考えた。検討の結果、粒の大きさが小さくなってしまうが「全ての粒に余計なフチが入らず」かつ「粒の紙の層が手前に浮き出るようにする」ことができた。こういう部分を統一することが造形に与える効果は案外馬鹿にできないと考える。
小さくなった粒に対してストローが太めになってしまったため、合うように細くしてある。折りとしてはちょっとスマートではないものの、ストロー手前の紙のフチがずれやすかった弱点を隠す効果もあるので、悪いばかりではないかな。

f:id:origami:20190719234922p:plain
改修版の展開図(タピオカの仕上げ)

紙は黒の折り紙用紙24cmの端を少し切り落としてからインクジェットプリンタで薄茶色をプリントして、18cm四方に切り出したもの。大体20cm以下程度の小さめな用紙サイズに限られるが、好きな色の組み合わせの薄手の用紙を作るには手軽な方法だ。基本は濃い色の折り紙に薄い色をプリントするのが良いと思う。

Affinity Designerでの折り図制作TIPS

影の付け方・別案

書き出しを考慮すると「内側にペースト」機能を影表現に使うのは避けた方が良いのは前に書いた通り。代替法としてオブジェクトを重ねる方法を取るが、スナップが辺上の任意の点にも利くので、一番上に線を重ねずとも、こういう重ね方で行けそう。これだとオブジェクト数が増えずに済む。

f:id:origami:20190717211115p:plain
ADでの影の付け方
f:id:origami:20190717211025p:plain
辺上にスナップが利く

バウンディングボックスのリセット方法

オブジェクトに紐づけられているバウンディングボックスをドラッグすることで拡大縮小・シアー・回転などの変形操作を行えるが、変形したバウンディングボックスは継承されていく。次の変形操作が行いにくくなる場合のために「サイクル選択ボックス」なるボタンが用意されていて、それを押すとバウンディングボックスがリセットされるので事なきを得るのだが、そのリセットは一時的なもので目的の変形操作が終わると元の状態に戻ってしまう。
変形操作を行う上ではこれで問題ないのだが、たまにバウンディングボックスがオブジェクトに対して見苦しい形状になってしまうことがあって、完全にリセットしたい気分になる。
その方法がないかフォーラムを探したところ、見つかった。曰く「オブジェクトを囲むようなオブジェクトを描いて、両者を選択し、ジオメトリの「交差」を実行するとバウンディングボックスがリセットされる」というもの。どうもバッドノウハウめくけど、ひとまず出来てよかった。

Affinity Designer 1.7からIllustrator(CS5)への書き出し関連

テキスト

EPSだとテキストが全部アウトライン化されてしまうようで、これはAiへのデータ移行を目的にした場合は大問題だ。SVGとPDFだとテキストで書き出せるが、どちらも改行部分で1行ずつばらばらになってしまった。SVGではさらにフォントサイズが小さくなってしまい、フレームテキストツール※を使って書いたテキストだと1文字単位でバラバラになったりもするため完全に使えない。(※ネームは基本アートテキストツールで良いと思う。フレームテキストツールは解説などの文章部分で使う)
EPS書き出しの前にテキストだけ消しておいて、Aiの方でPDFから移植する形が一番ましだけど、それでも1行ずつ分かれてしまうのは今のところ避けられないようだ。うーむ。

グラデーション

ぼくはグラデーション機能は基本的に使わずにアニメ塗りで立体図描写をするので関係ないのだけど、グラデーションを使ったオブジェクトをEPS書き出しすると、クリッピングマスクの中に入った画像データとなって書き出され、Ai上で再編集はできなくなる。この辺はアプリケーションによって処理が違うだろうから仕方ないところかも。

外観(アピアランス

オブジェクトに複数の塗りや線を設定できる機能だが、これをEPS書き出しするとそれぞれの線と塗りが全て分離して、それがグループ化された状態で書き出された。
折り図では使用法が限定的(神谷さんがやってるトリミング線に白いフチ取りしたりとか、強調したい◯や矢印にフチ取りしたりとか)なので、注意しながら使えば大きな問題ではないかもしれない。
FHではMX(バージョン11)から搭載された機能で、ぼくが使ってるFH10では存在しないので、ぼくはそもそも使っていない(必要なときは愚直にオブジェクトを重ねる)。

複数アートボード

3ページの風船の折り図を読み込んだら2ページめにしかアートボードがなくて、アートボードのサイズも変化していた。げんさん指摘の位置がずれる問題も含めてアートボード周りの互換性は薄い模様。