『折紙探偵団コンベンション折り図集Vol.11』

 はうすより告知。


 せっかくなので、掲載の「ポニー」折り図について。これ、ウェブで「馬2004」という題で発表した作品を、折り図応募の直前になって思いつきで改題しただけで、「未発表の新作?」と思うのは大いなる勘違いなのでご注意を。


 日本猿の折り図を描いた後で、「折り応えを増すことを考えている」みたいなことを書いたが、今は加えて「なるべく色々な途中形を見せる」ということを意識するようになってきている。これは、西川さんの折紙三昧「15度にはまる」で書かれていた「新鮮な風景」というフレーズや、Origami BBSでの「折り紙には無数のabstract formが存在する」という書き込みなどから着想している。また、「折り応え」を出すのに単に工程の難度を上げるというのはなんか違うな、と思っていたことから続けて発想したことでもある。
 折る過程の楽しさとして、魅力的でかつ意外な途中形が次々に現れては消えていく様子を見せるということをもっと強調できないだろうか、これが今興味を持っている視点であり、課題だ。


 しかし、「意外な途中形」などと言っても、「では具体的にどんな形が面白いのか」と考え始めると、これが良く分からないし、そもそも複雑な作品ではいかんせんダイナミックに形を動かしにくくて、最近の作品を振り返ってみても、1作品内に2つ3つでもそういう形を込められたら御の字、と思わず弱気になるくらい思うように行かない。
 そんな中ぼくが「ポニー」で面白いかなと思っているのは、例えば78図の形とかなんだけど、賛同をもらえるかどうか。ちょっとあざとかったかもしれないけれど、77からの変化としても小さな快感を込めたつもりだ。
 ただ、この作品、元々構造的にあまり工程の工夫の余地がないモデルでもあり、前半身については結構悩んだ結果あんまり面白くならなかった。言うならば、形を作るために工程があるという感じ。これは仕方ないと言えば仕方ないんだけど、そうではなくて「工程から形ができていく」ような折り紙を作ってみたいと思う。
 と、書いていて高望みしすぎというかその前にやることあるだろというような気もしてきた。まあ少しずつでもチャレンジしていこう。


 最後に、立石さんのご指摘はごもっともです。ここは途中図欲しいところでしたね。