折紙探偵団コンベンション第1日目

 コンベンション第1日目。午前はJOAS総会、午後は特別講演会。ぼくは総会には出席できず。


 講演会を簡単に振り返ってみる。
 スペシャルゲストの吉澤さん。登場時には海外参加者を中心にスタンディングオベーションを受ける。スピーチはご本人に代わり夫人が原稿を朗読。50年前にアムステルダム*1で開いた個展に出品したがその後行方不明になっていた作品が、昨年になって見つかり今年ようやく作者の手に戻ってきたのだが、これは折り紙の歴史にとって貴重な証拠品である、というようなお話。
 自分のなした業績への確固たる自負が伺えた。


 ジョワゼルさんの自作を解説しながらのパフォーマンス。ファンキーな人柄に繊細な作品という組み合わせがどことなく小方弘己さんと重なるところがあるように思った(髭の風貌も似てなくはない?)。陶芸の経験があるというのも共通点で、これもお二人の立体造形志向を考えると思い当たる感じがないでもない。講演では随所に小ネタを連発していた。


 三浦節夫さんのお話は折り紙とは直接関連しないものなので、ここでは省略。


 ハルさんは先生だけあって、講演のテーマ(大学の授業における折り紙の活用の実際)がよく伝わるものだったと思う。(でも5分くらいうとうとしてしまった‥‥ごめんなさい。) 最近は発表される(折り紙の数学の)論文が多くて追いきれない、という話が印象に残る。


 羽鳥さんのヨーロッパの古典折り紙についての講演も初めて見る資料があって面白かった。風船の話が特に興味深かった。身近な折り紙作品にもまだまだ知らないことがたくさんあるなあと痛感。


 ブリルさん、ジョワゼルさん、デボラ・フォアマン・タカノさん、比嘉佑典さん、岡村さん、西川さんの「日本の折り紙事情、世界の折り紙事情」と題したパネルディスカッション(司会:前川さん)。
時間が押している中、自分の興味分野になると話が止まらなくなる人多数で(笑)、俯瞰的なテーマ設定に対してトークがなかなか追いつかなかった感じ。それでも最後はきれいにまとまって良かった。
 つまりは、個人の熱い探究心(さらにその受け皿としての各団体の活動)が、これからの「折り紙事情」を形成していくということだろう。そういう情熱をパネリストの皆さんの話からは十分に伺えたと思う。


 講演者の皆さん、総合司会の山口さんサカモトさん、通訳の立石さん羽鳥さん、本当にお疲れ様でした。

*1:違ったかな?記憶があいまい

*2:このサイトは個人サイトというわけではなさそうだけど(フランス語分かりません)、一応オフィシャルっぽいということで