「シンプル対コンプレックス」混線しがちな評価軸まとめ

単純/simple ←→ 複雑/complex A, B
小品/short piece ←→ 大作/voluminous A, B, C
省略/omit ←→ 細密描写/detail A
抽象/abstract ←→ 具象/representational A
デフォルメ/design*1 ←→ リアル/realistic A
折り紙的/origami-like*2 ←→ 彫塑的/solid-oriented A
幾何学的/geometric ←→ 有機的/organic A
省加工/raw-base ←→ 加工(仕上げ)/shaping A
あっさり/light ←→ コテコテ/heavy A
低解像度/lo-res ←→ 高解像度/hi-res A
明解/clear ←→ 難解/hard to understand B
簡単/easy ←→ 高難度/hard to fold C
初心者向き/for beginner ←→ マニア向き/for enthusiast C
少工程/short sequence ←→ 長工程/long sequence C
  • A: 造形
  • B: 構造・手法・着想
  • C: 折り・再現

折り紙作品のタイプを表そうとしたときよく持ち出されるのはシンプル対コンプレックスという対立軸だが、構造・工程・造形のいずれに着目しているのかで異なる意味になり話がややこしくなったりする。
またシンプル/コンプレックス軸の周辺には、その一部だったり、付随していたり、類似していたりする評価軸がいろいろあって、これらもつい混線しがちだ。そのようなさまざまな意味を託せる「シンプル」「コンプレックス」という言葉は便利ではあるけれども、議論する場合はなるべく対象をはっきりさせて行うのが良いだろう。そこで、全てを網羅というわけにはいかないが、考えられそうな評価軸をまとめてみたのが上のリストだ。適切な語かどうか吟味はしたつもりだが、もっと良い表現(特に英語)の案や、他の評価軸を思いついた方はコメントで教えてください。
より適切な評価軸をもって、それが好みの問題なのか、何かしらの目的に対する手段なのか、あるいは折り紙における意味を問うのか、などを明確にしながら論じることを心がけたい。


<参考文献>

  • 『季刊をる』16号特集
  • 折紙探偵団』75号クローズアップ(川村さん)

10/10追記

表をちょっと修正

*1:タングラム的・漫画的・見立て…

*2:「折り紙的造形」とは何かについては後で書く