「パンダ」「リス」改良



「パンダ」と「リス」を改良した。古いバージョンの写真は本家サイトで。

パンダ

胴体については今でも面白いと思うけど、ここ数年折る機会があるたびに首付近の完成度に不満を持っていた。
・顔が折りあがった後安定せず開いてしまう
・立体化の際に首と顔の接続部で紙がゆがんで美しくない
・耳周りの折りが折っててイライラする
今回の改良で、上に挙げたような欠点はほとんど解消されている。特に顔を固定する方法は自分的には会心で、見つけたときには本当に嬉しくなった。また折りやすさもだいぶアップした。



展開図。そしてORIPAの推定でビフォーアフターの比較。見ての通り、今まで仕上げで顔を(無理矢理)引き出していたのを、構造的に処理している。実は、首部分の構造は創作当時にも選択肢として試してはいたのだけど、うまくまとめられないと考えて却下されていたのだった。

リス

ぼくの中では創作上の転換点ともなった記念的作品だったりするので、いじるのはちょっとためらいもないではなかった。だけど現在のぼくから見ると、肩付近の紙厚が多すぎることが納得しがたく、その辺の改良を目指した。

ORIPAの透過色推定。肩から首の付け根にかけては大分すっきりして、背中のラインも少し変化させつつ構造的に折り出すように変わっている。


こちらはまだ推敲が完全にすんでないので、展開図は載せない。パンダとは逆に、工程はちょっと厄介かもしれない。というか今推敲とあわせて探してる最中。

感想

創作した当時は「これが極大!」と思っていたはずだったのに、10年たってちゃんと見直してみたらこんなにいじれる余地があったとは。
単純に技術が身に付いたということもあるのだろうけど、自分の中の「自作はこうあるべき」という像がよりはっきりとしてきたことの方が大きいような気がする。10年前にはそこがぼやーっとしたまま作っていたために、探していてすぐに見つかったものを答えだと"思い込んで"、探求をやめてしまうという面があったのだろう。


最近作った作品も10年後にはいろいろ直したくなったりするんだろうか‥‥その時にも「ちゃんと極大に辿り着けてるじゃん」と思えるといいんだけど。
逆に全然今と違う折り紙観になってて、全作葬り去りたいとか思ったりして(笑)。