「還ってきたORIGAMI展」を見てきた

 月曜に折り紙仲間で連れ立って行ってきた。紙の博物館へは初めて行く。そういえば、吉澤さんの展覧会を見にいくのも実は初めてだったかもしれない。

 件のアムステルダムの作品群は、さすがに初期作品だなという感じはぬぐえなかったが、「自画像」は素晴らしいと思った。中には普通の折り紙用紙で折った作品もあり、なんだか少し新鮮(考えてみればそう変でもないんだけど)。個人的には『をる』5号に載っていた「みみずく」の初期バージョンをぜひ見てみたかったのだけど、残念ながら展示されてなかった。

 それ以外の作品は動物作品がほとんどで、後は色紙やジオラマが少し。それと(たしか)60年代1940年頃に折られたという暦をテーマにしたミニチュア作品があって、必要以上にミニチュアで折られた作品を見て、やっぱり吉澤さんも折り紙愛好家が通る道はしっかりのめりこんでいたのだなあ、と少し身近な思いを抱く。ものすごく凝り性だったのだろう、と容易に想像できるほどに細かく描き込みがされていた。
 一角には国際折り紙研究会の会員が制作した展示もあったが、正直言ってひと目で違いが分かってしまうのは、指技の技術を継承していくことの困難さが垣間見えたようだった。

 折り紙作品以外では、ビデオ「吉澤章:神・宿る手」が流されていたり、吉澤さんが紹介された雑誌の記事が展示されていたりと、展示スペースの割には長時間鑑賞できる内容の展覧会だと思う。会期残り1ヶ月足らずなので、近隣で未見の方は行ってみては。