Affinity Designerでの折り図制作TIPS(ではない) その2

スタイル・アセット・シンボル

この3つはどれも、ある属性を持ったオブジェクトをゼロから作成・設定しなくても、あらかじめ登録しておいてすぐに呼び出せるようにする機能だ。
スタイルについては過去記事でも機能不足について書いているが、塗りがない破線属性を持った線を登録できないという不具合(バグっぽいがフォーラムで指摘する書き込みは見つけられなかった)があるようで、山谷線・透視線など折り図で多用する線が使えないという問題もある。
人によって色々やり方があると思うが、ぼくは基本アセットに突っ込んでおくことにした。線の類をまとめて並べてグループ化したものをアセットに入れておいて、スタイルのコピペ用に使うのがいいかなと思っている。

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使う線をまとめてアセットに
スタイルのコピペではなく直接使ってももちろん構わないのだが、線種の変更をするときなどは結局スタイルコピペでやらなくてはいけないので一々場合分けするよりは全部同じ手順でやった方がやりやすい、というだけだ。紙の表・裏や影については一応スタイルに登録したが、実作業ではすでに描いた図の中からオブジェクトのコピー等でまかなってしまえば十分そうだ。
なおツールバーやパネル等はデフォルトのダークモードのままにしていたが、それだとアセットに登録したオブジェクトが全く見え辛いので、ライトモードに変更した。
参考として現時点でのアセットを載せておく。ほとんどのオブジェクトはFreeHand時代に作ったオブジェクトをAi経由でADに持ち込んだものだ。
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現時点でのアセットその1
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現時点でのアセットその2

スナップ

スナップ機能の精度と充実はADの強みだが、設定項目が多岐にわたるため、折り図制作向きのカスタマイズは研究の余地がある。
例えば[表示]→[グリッドおよび軸マネージャー]で以下のように「追加軸の設定」をすると22.5度間隔のスナップが作れる。(なおこの機能はドキュメント全体に対して有効にはならず、アートボードごとに個別に設定しないといけないようだ)

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モードを[詳細]にして[追加軸の設定]
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ノードを動かした時に、22.5度刻みのスナップが効くところでは中央に数値が現れる
しかし実際やってみるとグローバルスナップの設定で「オブジェクトの境界ボックスにスナップ」をONにしているとスナップ対象が多すぎてちょっと困ってしまうことになった(スナップ候補を絞る機能もあるが、折り図は重なっているオブジェクトが多いのでうまく対処できない)。「オブジェクトの境界ボックスにスナップ」をOFFにすれば良いのだが、すると移動ツールでオブジェクトの移動をする際のスナップが効かなくなる。対処法としては、オブジェクトの移動を、ノードツールで全ノードを選択してから1つのノードをつまんで行う方法があって、今のところこれでやっている。(移動ツールで目視で合わせてしまって、正確に合ってほしい頂点部のみ個別にスナップさせたりもする。)
あとは、オブジェクト・ノードの移動中にoptionキーを押すと一時的にスナップをOFFにすることができるので、ずらし描写をする際は矢印キーの使用と合わせて活用していきたい。
現時点では、上記の22.5度スナップと、シェイプとオブジェクトジオメトリにスナップする設定でやっているが、もう少し量を描いてみないと最適解は分からなそうだ。
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現時点でのスナップ設定例

2点鎖線の(無理やりな)作り方

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「12-4-1-1.5」「12-1.5-1-4」の線を重ねた状態にしている
「外観」で線を重ねればADだけでも2点鎖線を作れると思いついた。EPS書き出しすると分離すると思うけど。ここまでして2点鎖線にしたい人がいるかは分からない。
以前書いたとおり、Aiからデータを読み込めば2点鎖線を使うことができるのでAiを持っていればそちらの方が良いだろう(不具合はない、はず)。ただし再編集をしようとすると、どれでも数値をいじった時点で1点鎖線に変わってしまうので注意。

レイヤーの不透明度のクイックキーに注意

表示拡大のために⌘+数字キー(1〜4)を押そうとしたときに間違って数字キーだけ押すとオブジェクトの色が薄くなってしまうが、これは数字キーがレイヤーの不透明度を変更するクイックキーになっているせいで、不透明度が(2を押すと20%になるなどして)変わっていたのだった。先日の配信中にもやって(裏返す記号の作成前)、その時は原因がわかってなくてスタイルのペーストで修正したりしていた。うっかり押して気づかないままになるのがちょっと怖いのでズームはズームツールを使った方が良さそうだ。
この不透明度のクイックキーは無効にしたいのだが、環境設定のショートカット編集の対象になっていないようなので不可能みたいだ。

「背面にペースト」の代替法2つ

これは配信で少し話したが、ADでは普通のペーストが「前面にペースト」になっていて、「背面にペースト」の代替のやり方としては2つありそうだ。

  • 「後方に挿入」を押してから、ペースト
  • 通常のペーストをしてから、「背面へ」

「後方に挿入」「背面へ」のどちらの操作も環境設定からショートカットキーが設定できるので、しておいた方が良い。Ai・FHでの背面にペーストに比べると一手間増えてしまうがしょうがない。

Affinity Designerでの折り図制作解説配信・アーカイブ

www.youtube.comhttps://www.youtube.com/watch?v=Cwq-ttFhLlk
YouTubeの方の概要欄に、配信内で触れた話題ごとのインデックスを作ったのでご利用ください。すでに思ってたより多くの人にアーカイブを見ていただいているので今更という感じもするけれど。
インデックスを作るために部分部分を見返したが、この話題ではあのことにも触れればよかったとか色々反省点がある。でも思い切ってやってみて良かった。機会があれば(というか何かネタを思いついたら)またやってみるかもしれません。

「タピオカミルクティー」



巷で人気のタピオカミルクティー、目にするたびに折り紙向けの題材だなーと思っていた(飲んだことはない)。
ストローとインサイドアウトから領域配置はすぐに思い浮かぶので、はじめに8等分蛇腹と決め打ちしてしまってから試行錯誤で作った。

Bubble Tea origami

ひと月前にTwitterで発表したときはタピオカを少し大粒に折り出していたが、今回推敲するにあたり、中央上の粒のインサイドアウトのやり方がいまいちだったのを改めることをまず考えた。検討の結果、粒の大きさが小さくなってしまうが「全ての粒に余計なフチが入らず」かつ「粒の紙の層が手前に浮き出るようにする」ことができた。こういう部分を統一することが造形に与える効果は案外馬鹿にできないと考える。
小さくなった粒に対してストローが太めになってしまったため、合うように細くしてある。折りとしてはちょっとスマートではないものの、ストロー手前の紙のフチがずれやすかった弱点を隠す効果もあるので、悪いばかりではないかな。

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改修版の展開図(タピオカの仕上げ)

紙は黒の折り紙用紙24cmの端を少し切り落としてからインクジェットプリンタで薄茶色をプリントして、18cm四方に切り出したもの。大体20cm以下程度の小さめな用紙サイズに限られるが、好きな色の組み合わせの薄手の用紙を作るには手軽な方法だ。基本は濃い色の折り紙に薄い色をプリントするのが良いと思う。

Affinity Designerでの折り図制作TIPS

影の付け方・別案

書き出しを考慮すると「内側にペースト」機能を影表現に使うのは避けた方が良いのは前に書いた通り。代替法としてオブジェクトを重ねる方法を取るが、スナップが辺上の任意の点にも利くので、一番上に線を重ねずとも、こういう重ね方で行けそう。これだとオブジェクト数が増えずに済む。

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ADでの影の付け方
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辺上にスナップが利く

バウンディングボックスのリセット方法

オブジェクトに紐づけられているバウンディングボックスをドラッグすることで拡大縮小・シアー・回転などの変形操作を行えるが、変形したバウンディングボックスは継承されていく。次の変形操作が行いにくくなる場合のために「サイクル選択ボックス」なるボタンが用意されていて、それを押すとバウンディングボックスがリセットされるので事なきを得るのだが、そのリセットは一時的なもので目的の変形操作が終わると元の状態に戻ってしまう。
変形操作を行う上ではこれで問題ないのだが、たまにバウンディングボックスがオブジェクトに対して見苦しい形状になってしまうことがあって、完全にリセットしたい気分になる。
その方法がないかフォーラムを探したところ、見つかった。曰く「オブジェクトを囲むようなオブジェクトを描いて、両者を選択し、ジオメトリの「交差」を実行するとバウンディングボックスがリセットされる」というもの。どうもバッドノウハウめくけど、ひとまず出来てよかった。